すてきな格闘理論

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ドロップキックアウト - りろんは かんぺきだ

在野の哲人たちが革命的格闘理論を追求する考察記事を読んでいて、忘却の底から突如思い出したのが現代の巨匠・柳沢きみお先生のけっさくマンガ「DINO(ディーノ)」だった。
DINO ディーノ 全12巻完結セット

オレの記憶ではこれ空手とセックスが滅法強い主人公ディーノ君の復讐譚で、「悪い奴ほどよく眠る」と「蘇る金狼」をゴチャ混ぜにして知能指数を下げて安っぽくしたような、正直言ってわりとどうでもいいマンガであった。

このマンガの中に「ディーノ対SP」という隠れた名勝負があったのだ。ディーノの復讐対象である標的のオヤジが雇ったSP、これが脇役のくせに異常にキャラの立った男で、ディーノを追いつめるわけですね。この男が使うのが異端すぎる空手で、まず


短距離走クラウチングスタートの姿勢
から始まるのだ。さすがにバカバカしいとは思うものの、なぜその姿勢がディーノにとって脅威なのかという理屈が丁寧に解説され*1、実際ディーノ君は大ピンチに陥る。その格闘理論、マンガ内ウソ理論としては相当面白かったような記憶がある。マンガ「DINO」においては、この構えがほぼ最強なのだ。そんなもんねえ、グレイシー柔術の黒船ショックを越える衝撃がありましたよ。

ディーノは死闘の末にこのSPを失明させ勝利するのだが、視力を失ったこのSPがその後も異常な勘の良さでディーノを追いつめていくような展開があり*2、今考えると結構面白かったような気がする。もう一度読んでみたいのだが、基本的にクソマンガなので古本屋でもマンガ喫茶でもなかなか見かけないんだよなあ…

*1:記憶違い。あんまり解説されない

*2:これも記憶違いで、ディーノを追い詰めるのは別の失明したSP