Bodogが推進する最低共通文化

「最低共通文化」とはその昔に神、いわゆるゴッドであるところの筒井康隆が述べた概念で、その意味はというと説明するのもめんどくさいのでお前らちっとはググれよ! で済ませておくが、今日ネット上で「最低共通文化」の実例を見かけたので親愛なる諸兄には報告しておこう。
http://www.bodogfight.com/
御存知、意地も誇りもないリングことBodog Fightの公式サイトである。Bodog Fightにも説明が必要な気がするが、まあ知らんやつはこれもググれよ! と言って済ませておく。
Bodog FightにはBodog Girlsという、ラウンドガールのようなイメージガールのようなお姉ちゃん連中がいるのであるが、こいつらに関してBodogが売ろうとしているイメージの最低共通文化っぷりにオレは慄然としたのだ。まずはこちらの動画をご覧いただきたい。
http://www.bodogfight.com/bodog-girls/?play=bodog-fight-303-kym-girls-mamba
このニヤけた男はインド出身のストライカー、ブラックマンバである。HERO’SK-1に出場し、世界の所英男さんをヒザ一閃でKOした強豪だ。そいつがニヤニヤしながらプレイメイトのできそこないみたいなBodog Girlsに寝技のレクチャーなんかしちゃってるのだ。これを堕落と言わずしてなんと言おう。
そりゃあ、これによってブラックマンバの実力が怪しくなるわけでもないし、こんなんだから彼がマジメに練習してないとも言えぬ。オレが言いたいのはそういうことではなくて、このイメージにただガッカリしたんだよなあ。だってニヤニヤしてんだもんよお。
続いてこちら。
http://www.bodogfight.com/bodog-girls/?play=fight3-girl1-kyg
Bodog Girlsがワーキャー言うてる動画である。ここでもブラックマンバは顔を出しており、あろうことかジャグジー風呂でBodog Girlsと戯れておる。お前、そんなところで何をやってるんだよ。
この動画は先日のロシア興行(いや興行というよりテレビ収録だが)に合わせてか、ロシア美女をクローズアップしたVになっている。ロシアの街頭でコートを開いて下着姿になる女、それを見てニヤける軍人さん。いったいこのイメージが格闘技と何の関係があるのか全然判らないが、関係ないのはいいとしても、それにしてもちょっとこれはVとしてひどいと思うのである。
オンラインカジノだのビジネスだの買収だの個人資産だのの話ではなく、これは志の問題なのだ。
つまり、Bodogの売るイメージはあまりにも世俗的で即物的で、意地も誇りもなさすぎるのである。格闘ロマンの香りが一切しないのである。根本的に、ファイターへの最低限の敬意さえ感じられないのである。ロシアへの敬意も感じられないのである。ひいては、「人間」への敬意が感じられないのである。何がしたいんだコラと言わざるをえないのである。
オレだってあんまりマジメなことを言いたくはないのだが、これはダメだよ。そりゃあこんなVをよしとする下品なカルヴィン・エアーが法外なギャラでヒョードル持ってったら、バラ社長もダナ社長も怒るよ。だってこいつ、ファイターを丼の中のサイコロ程度に考えてるぜ。まあBodogはもともとカジノビジネスなので、選手は事実上もサイコロなんだけどな。
とにかくBodog Girlsにニヤけるブラックマンバの図は、オレをガッカリさせた。お前、ちょっとはカレーとか食ってヘビとかに巻かれてヨガとかしてみせろよ。
これがグローバル資本主義の正体なのか。なんだなんだ札びら振り回して偉そうにしやがって、なんのことはねえ、これこそ最低共通文化じゃねえか。こんな最低共通文化で世界中塗りつぶされてたまるかよ。冷笑的な格オタ諸君よ、冷笑してる場合じゃねえんだよ。日本であんなことやられてみなよ。新宿の街頭でケバイ日系女がコートを脱いだら赤ビキニで、通りがかった自衛隊員がニヤニヤ笑うようなVを、世界中で流されてみろよ。そんで近藤有己がニヤニヤしながらジャグジー風呂でBodog Girlsとキャッキャ戯れてる動画でも観てみろよ。なあああああああにがしたいんだコラァ! ネット飾ってコラァッ! そんなもんなあ、巨大資本とか関係ねえって! 本体潰すって! 熱い風吹かしてやるって! やってやるって!