「SPACE BATTLESHIP ヤマト」

今さらながら観てみました。

原発事故の後に観ると、本当にコスモクリーナーがあればいいのにと思うよ (★2)
こんなのは判ってたことで今さら言うのはフェアじゃないんだけど、やはり木村拓哉の「現代の若者」ふう演技はキツくてオレは目を伏せてしまう。かつては木村も若く、彼の芝居が「現代風」にみえた時期もあったのだが、もはや木村の「若者はこんなんなんだぜ」という解釈がオッサン臭くて愕然とする。もう自分が若くないという事実を受け入れられていない木村が、やや滑稽に見える。狭苦しいペラッペラの食堂セットで乗組員と若者風に空虚に盛り上がる木村。そして片隅で不機嫌にバーボンキメてる黒木メイサ! これはやはり、どれだけ優しい気持ちで見たとしても無惨なコント、何かの悪ふざけにしか見えない。あらゆる意味でメチャクチャなアニメ『宇宙戦艦ヤマト』にさえ、こんなサブい瞬間はなかった。

白ヒゲつけたら津川雅彦みたいになった山崎努にやる気がなく、明らかにイヤイヤ台詞をしゃべっている。彼はガキの頃にヤマトに夢中になった世代ではなく、その親の世代。当時、子供がテレビにかじりついてくだらないテレビまんがに夢中になってるのを苦々しく思っていたことだろう。なんで今さらこんな茶番につきあわねばならんのかと思ってるんだろうな。こういう人が一人いると、テキメンに温度が下がります。それなら津川でええやんと思いました。

冒頭、「人類は地下に潜り」のナレーションで映るのがチンケな部屋のセットなのは致命的。まず地下世界の風景から見せるべきで、あとからCGの地下世界をワンカット出されても、チンケな部屋のチンケな芝居を見せられたときのガッカリ感、スケール小さい感、これもう拭えないのだ。このような演出上のミスは全編にわたって多くあり残念だったんだけど、この映画の問題はそんな瑣末なことじゃないという気もすごくする。

SPACE BATTLESHIP ヤマト スタンダード・エディション 【DVD】

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