さいきん観た映画 「虹色ほたる 〜永遠の夏休み〜」

虹色ほたる―永遠の夏休み― [DVD]

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バルト9で。「ももへの手紙」を観逃してしまったので、雪辱戦のような気持ちで観に行った。客入れに苦戦しているようで、朝1回のみの上映になっていた。

これは「マイマイ新子と千年の魔法」と同じパターンだ。こういう扱いになるのは、公開第1週の成績がひどい場合らしい。朝1回の上映では、興行成績挽回は事実上不可能になるので、劇場側からは「見捨てられたプログラム」ということである。くやしいのうくやしいのう。以下、CinemaScapeに投稿した感想。

作画と美術の冒険はたいへんな目の快楽。素敵な瞬間がたくさんある。ただ感動のために物語を自由自在に作りすぎており、肝心なところで醒める。せっかくの題材、5月ではなく夏休みに公開できなかったのだろうか。(★3)


絵を見てもらえば判るが、この絵柄はいわゆる「売れ線」からは程遠い。この絵がぐにゃぐにゃ動くだけで楽しい。驚いたのは、ところどころ輪郭線が途切れている一見「ラフ」なタッチが全編に見られたことだ。これ手抜きかと思えばさにあらず、実はけっこうめんどくさい処理の筈なのだ。輪郭の描線とは別に、色の塗り分け線を設定せねばならないからだ。極端な例が高畑勲の「ホーホケキョ となりの山田くん」における全編水彩画タッチで、あれは大変だったみんな死んだみんな死んだと風の噂に聞いてます。