「エクスペンダブルズ2」 大丈夫。理屈じゃないんです!


エクスペンダブルズ2 Premium-Edition [Blu-ray]

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遅ればせながら観てきました「エクスペンダブルズ2」。ホントに予想と期待を裏切らない映画で、非常に楽しんだと言わねばなりません。素で楽しそうなヴァン・ダムのスーパー・ヴァンダミング・アクションも、チャック・ノリスが本気で尊敬されてる感じもおいしくいただきました。前作ではただそこにいただけだった鉄人ランディ・クートゥアさん、すっかり安定した役者さんになってて感慨深かったです。

世界最大の「楽屋」映画 (★3)
前作からしてそうだったが、まともな映画じゃない。楽屋オチ・内輪ネタの連発は、この映画だけ観ても楽しめるものではない。この映画の快楽はこの映画が出力する以上に、観客の記憶に徹底的によっかかって増幅され底上げされたものだ。どんな人にでもお薦めできる作品ではない。オレや、オレ同様に過去のアクション映画の膨大な記憶を持つ連中だけが楽しんでおればよい。

ただし楽屋オチといっても、この連中の「楽屋」なんてそこらの楽屋とはケタ違いのデカさなわけです。世界最大の楽屋と言ってもいい。楽屋とか内輪とか書いちゃったけど、あのさー「ターミネーター」や「ダイ・ハード」すら観たことねえやつなんてこの世にいるの? お前今までの人生で何やってたの? という話でもあるのだ。「エクスペンダブルズ」「エクスペンダブルズ2」は、そんなやつの面倒は一切見ねえという男らしい態度を崩さない。オレだってそんなやつのことは知らねえですよ。おととい来たらええんちゃいますの。

前作でオレが不満だったカット短すぎ問題は改善され、随分観やすくなった。サイモン・ウェスト監督ありがとう。ただスタローンが監督を降りたのは、サイモン・ウェストが優秀だからって理由じゃないと思うな。監督として頭を悩ませるより、共演のマッチョ軍団と同じ立場でバカやってるほうが楽しいってことに前作で気づいたからだろう。

こんなファン感謝デーみたいな映画でも、老いぼれ傭兵と前途ある若者が飲み屋の外で交わす会話には、スタローンの脚本らしい人生の深みが確かにある。とても気が利いているとは言えないが、それゆえの人間らしい暖かみが、少しだけある。なぜ少しだけかというと、100分ちょいの中に内輪ネタや楽屋オチ、銃撃戦やドツキ合いをたくさん入れたいからだ! 大丈夫。理屈じゃないんです!

こちらは前作