「Gのレコンギスタ I 行け!コア・ファイター」

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行け!コア・ファイター

元気のGだ (★4)

2014年から2015年にかけ全26話で放送された『Gのレコンギスタ』は掛け値なしに凄い作品だった。その凄さたるや、御大がアクセル全開で作ってしまったために我々テレビの前のド素人が初見で物語を把握することが極めて困難なほどだった。なんじゃこれ、ワケわからん。そう言って、多くの人々が視聴をやめてしまった。わかりやすい快楽を与えてくれる深夜アニメ群の中にあってGレコは難解すぎた。深夜アニメなんて基本的にはぬくぬくしてて、オタクの自己愛が美少女ちゃんとなって表れて、あーワカルワカルー、イイヨネーそれ知ってるー、仙狐さんに好きなだけ甘えてよいのじゃーなんてことばかり永久に繰り返してるんだ。それは疲れた脳に染み込む砂糖ドバドバの袋小路だ。それはそれでもいいんだけどGレコは全然違うんだ。情報の奔流に呑まれて目が眩むほどに眩しかったんだ。世界は想像より遥かに広い無限であって、得体の知れぬわかりあえぬ他者だらけで、しかしガチャガチャ生きていくんだ。ニュータイプは現し世の夢、リアルは地獄。毎週放送される最新話を二度三度四度五度繰り返し観ることでしか、今この世で何が起こっているのか把握できない。そうしないと猛スピードの御大についていけない。それが複雑極まりないこの世界のスピードなんだ。元気のGだ。オレにとってGレコは全然思い通りにならない、最高にスリリングなアニメだ。これこそが作家の作品、言いたいことを全部ぶちまけてとっ散らかっても構わねえから本当のことをブチかます、描ききれなくても描くと肚を決めてやりきった、本物の中の本物なんだ。要するに何が言いたいかというと、今回映画になって多少わかりやすくなったけど、お前らGレコなめんなよ、元気のGは始まりのGなんだということです。