あの鐘を鳴らすのは永田

PRIDE SPECIAL 男祭り 2003 [DVD]

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今日の男の中の男はホイス・グレイシージョシュ・バーネット桜庭和志
永田さんは完敗だった。あれは厳密に言ってダウンではなく、「痛かったからしゃがみこんだ」「怖かったから亀になった」ように見えた。つまり心が折れた(神取忍用語)のだ。最悪の負け方と言っていい。
2年前、猪木祭りは安田忠夫の奇蹟をもって「夢を持て、馬鹿になれ!」と暗い日本を励ました。猪木のホームレス扮装はそういうことである。ちなみにこの時、永田さんは安田の奇蹟の前フリとしてミルコのハイで失神していた。
あれから2年、今回の猪木祭りは現実の残酷を見せた。「夢を持て、馬鹿になれ」。しかし現実には、夢が叶うことなどほとんどない。99%叶わない。信じれば夢は必ず叶うなんて、歌の中にしかない言葉遊びだ。「夢を持て馬鹿になれ」、永田さんは夢を持って馬鹿になったが、心が折れてブザマに負けた。猪木祭りはその現実を見せた上で、なおそれでも全部承知の上で「夢を持て馬鹿になれ。バカヤロー!!」と叱咤しているのだ。その叱咤を、正面から引き受けたい。それが、オレにとっての2003年の大晦日だった。
オレは永田さんのプロレスをうまいとも面白いとも思わない。センスは悪いし顔も良くない。そもそも強くない。しかし、今日の永田さんはプロレスラーだった。いや、今日の永田さん、あれはオレだったんだ。

試合後、リング上にてジョシュ・バーネットのマイク
「絶好調ですかー!皆さんアリガトウゴザイマシタ!オレは王者になる。キング・オブ・パンクラス! PRIDE選手、K-1選手、全部かかってこい!オレは新日本だ!プロレス、無敵だ!」

試合後、控え室にてジョシュ・バーネットのコメント
「彼(シュルト)とはUFC時代に一度やったことがあるんだけれど、その時よりかなり力を付けているね。体重も当時は118キロ、今は130キロと大きくなっているし・・・。実際、前半から何度もサブミッションで決めようと思ったけど、非常に力が強くディフェンスも良かったので決まらなかった。最初の作戦では211cmパワーボムで決めたかったんだけどチャンスがなかったね。だから彼が疲れてくるのを待って最後に決めた。
この試合で、<プロレスラーが最強>だということを証明したかった。テクニックだけではなく、ハートの強さを証明したかった。プロレスの場合は3週間もの巡業で毎日試合をやっていくわけですから、本当にタフじゃないとそれはできない。新日本プロレスの永田は、いつ誰と試合が決まっても断ることはしない。
来年も1.4東京ドームを皮切りにハードなスケジュールになると思うけど、新日本プロレスのプロレスラーとして、プロレスラーが一番強く、強い心を持っていることを証明するためにがんばります。」