「幻魔大戦」

幻魔大戦 [DVD]

幻魔大戦 [DVD]

観たのはガキの頃以来。うーん、これはものすごくひどい。でもなあ、そういう時代だったんだよな。今思えばお手軽な終末観、底の浅い宗教的体験、ダサダサ透過光の超能力、行き当たりばったりのコンテ。今の人には理解されまいが、当時はこれナウかったのよ。ナウかったのよ。
こういういいかげんなアニメーション作りが許されなくなって久しい。しかし、昔は夏休みに公開される大作アニメ映画なんて内容が判ろうが判るまいが、スカッとしようが嫌な気分になろうが、出来が良かろうが悪かろうが、オレたちガキどもはその大仰なイベント感に圧倒されてなんだかお腹一杯になって丸めこまれたものだ。この調子で思い出のアニメ大作をいちいち検証していくと悲しい結果が待っているような気がするな。オレにとって非常に危険なのが「火の鳥2772 愛のコスモゾーン [DVD]」あたりで、今思えば相当ひどい映画だったような気がするが、当時ガキだったオレはなんだかでかいものを見たような気がしてお腹一杯になっていたんだよなあ。今観ると相当ガッカリしそうだなあ。
今の子供たちが劇場で観ているアニメ映画は、大人になったときにどう回想されるのであろう。まあきょうびのアニメ、最低限は「できている」だろうから、2006年に「幻魔」観て煩悶するような現象は起こらないのかなあ。
それにしても「幻魔」が1983年、「王立宇宙軍」1987年、「AKIRA」1988年。たった数年で凄い進化がアニメーションに起きていたのだな。80年代は刺激的な時代だった。