「おしゃれなサムとバターになったトラ」

おしゃれなサムとバターになったトラ

おしゃれなサムとバターになったトラ

ちびくろサンボ」改変絵本のひとつ。作者の2人はアメリカの黒人で、なぜか1920年アメリカ風の風俗が描かれている。主人公もインド人っぽくなく、アフリカ系アメリカ人の少年として描かれている。水彩だが、ちょっとロックウェルに近い感じだ。アメリカ人はエキゾチズムというものを知らんのか。
20年代風の架空世界では、動物と人間が一緒に暮らしている設定。おしゃれなサムくんは、上着やズボンや靴や傘をいろいろな動物から買うのだ(ゾウの洋服屋、ウサギの傘屋など)。これでは、ジャングルでいきなりトラに出くわしたときの絶望感と緊迫感が台無しである。そもそも動物が「話せばわかる相手」なら、サンボがトラの理不尽な横暴に泣く展開にならないだろ。グダグダだよ。
描いたのが黒人だったため、キチガイ団体「黒人差別をなくす会」はこれを華麗にスルー。それこそ黒人差別だろうよ。