- 作者: ヘレン・バナマン,森まりも,Helen Bannerman
- 出版社/メーカー: 北大路書房
- 発売日: 1997/10/01
- メディア: 大型本
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著者は原作「ちびくろサンボ」をはっきり「差別図書である」とする立場。だったら放っときゃいいのにとオレなんか思うのだけど、この教授は問題点のみを除去してお話はそのまま生かすというウルトラCを披露する。なんと主人公は少年ではなく、「チビで黒い犬」なのだ。その犬が「散歩」するのである。ゆえにタイトルは「チビクロさんぽ」なのである!
なるほど確かにこうすれば、黒人差別とは関係ない。なにしろ黒人が出てこないんだからな! と教授が本気で思ったのかどうかは知らぬが、これ作品の外堀から意地悪に考えれば「黒人をイヌ扱い」してるともとれるわけで、脇が甘いなあと他人事ながら心配になってしまう。案の定、キチガイこと「黒人差別をなくす会」から即座に抗議がきたらしい。これは突っぱねたようだが、突っぱねる理由が「黒人じゃないよ。イヌの話だよ」では、ちょっとしまらないな。
ちなみに原作「ちびくろサンボ」はインドに滞在していたスコットランド人女性が描いた絵本で、明記していないものの舞台は明らかにインドでありサンボはインド人である。トラも出るし。「黒人」というとオレが普通連想するのはアフリカ人、またはアフリカ系どこそこ人などなのだが、世の常識ではインド人は「黒人」に含まれているのだろうか?