「マッスル」DVDを観た

ここ数ヶ月のごく僅かな自分の時間に何をしていたかというと、DVDで「あしたのジョー2」と「マッスル」を観てました。「マッスル」は友人id:Nakamyura氏に借りたもので、「マッスル11」まで観た。非常に面白い。
レベルはケタ違いに低いものの、これに近いごく一部のことは昔オレも学校でやっていたからよくわかる。多くの学プロ経験者がそうであるように、「プロレスラーではない人間がプロレスをやる」ということを自覚するならば、こうなっていくしかない。なぜなら、我々は池谷銀牙的な厚かましさを持ち合わせていないからだ。
ただ「マッスル」の針の振りきり方は尋常ではなく、このようなものをプロのリングで、銭をとれるほど作りこんで観せる興行は「マッスル」まで存在しなかった。本当は、マッスル坂井だってプロの団体DDTに所属するプロのレスラーである。普通ならよりプロらしいプロになろうと考え、そしてその他大勢のつまらないプロになっていく。坂井はそれを拒否した。
「マッスル」とは、プロの世界に足を踏み入れてなおプロレスラーになりきれない自分を無視できなかった坂井の「感性」がひねり出した、異形のプロ興行である。根底にはプロレスへの歪んだ愛情がある。だからたとえば坂井にもっと作劇の才能がなくても、それでも「マッスル」はやっぱり面白かっただろうと思う。