生命は道を見つける

もう2010年の流行語大賞は「非実在青少年」でいいんじゃないか。東京都のバカな条例案が通りかねないとあって、ここしばらくweb上の観測範囲が騒がしい。

言うまでもなくかの条例案はくだらないし、あれを考えた奴は文化を解さぬ悲しき土人で、想像を絶するバカだ。オレは、彼らに憐れみを感じる。不幸な連中だと思う。一杯やれよ。

青少年からエロいマンガをとりあげて、いったい何をどうしたいのだろうか。いい大人が「エロいマンガをとりあげる」ことに躍起になっている姿を見て、当の青少年たちは何を感じるだろう。たぶん、こいつらバカだなあと思うのではないだろうか。10代の頃のオレは、実際そう思っていた。

ヒステリックな年寄りが、若者のしょうもない楽しみを奪おうとする姿を見ると、オレは決まって明治44年の「野球害毒論」を連想する。この大々的ネガティブキャンペーンを打ったのは朝日新聞で、4年後、舌の根も乾かぬうちに高校野球の前身大会を主催することになる。あれが教育に悪い、これが青少年にけしからんなんて主張は、大概こんなもんだ。

土人どもがどれほど一方的にタブーを押しつけようとも、魔女狩りを繰り返そうとも、健やかなる少年はエロを目指す。心は自由に空を舞い、生命は道を見つける。それは誰にも止められない。