- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2012/10/03
- メディア: Blu-ray
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高品質な映像表現、基本に忠実なスジ運び、楽屋ネタの完全撤廃、ユエン・ウーピンの武術指導。「ロボット」が完全に世界市場に照準を合わせているのが判る。(★4)
それでも胸を打たれたのは、あらゆる言語を喋れるロボットが「世界一美しい言語はタミル語です!」と高らかに宣言したり、博士がロボットの命名を自分の両親に頼むといった、インドらしい倫理観が伺える場面だ。特に、火災から助けだされる少女の強烈すぎるエピソード… インド人の高潔なる精神性、その美と厳しさに、共感はできずとも尊重するしかない文化の厚みを感じた。
観た人は皆ギョギョギョと驚いたであろうこの少女のエピソード、詳細はここでは書くまい。しかし、斯様に観客の心に複雑な感慨が渦巻いて容易に処理できぬ場面を正面から描くこの映画の志は、本当に立派だ。作り手の精神は本当に美しいと思うし、心から尊敬できる。