正確に言えばシネスケは落ちてるわけじゃない。重すぎて使えないだけだ。深夜に死ぬほどリロードすれば投稿も不可能ではない。まあでもそれって、落ちてると言ってもいいよな。

- 「ディスクロージャー・デイ」(米、2026)★2
- 「縁の手紙」(韓国、2025)★3
- 「ユースフル・ゴースト」(タイ・シンガポール・仏・独、2025)★4
- 「青春ブタ野郎はディアフレンドの夢を見ない」(日、2026)★3
- 「ストリートファイターII MOVIE」(日、1994)★3
- 「我々は宇宙人」(日、2026)★2
「ディスクロージャー・デイ」(米、2026)★2
AIスピルバーグが生成したような映画だぜ
もうホントによくも悪くも、悪くも悪くも、悪くも悪くも悪くもスピルバーグ。AIスピルバーグが生成したみたいな映画だぜ。まあそらーそうなんだよな、あのキャリアあの年齢の巨匠にハッと驚かされる斬新な新作というものを期待するほうが間違ってるわけでな。
宇宙人は実在する! と大きく出たくせに、ミズーリ州の田舎町しか出てこねえ。貧乏ゾンビ映画みたいだ。大半のアメリカ人の「世界」なんて、こんなもんなんだろう。冒頭のプロレスは会場がショボい。ラッセル・マルケイの「ハイランダー 悪魔の戦士」(1986)なんか冒頭MSGだったのに。
客が知りたいのは宇宙人と人類の関係がどうなってんのかなんだけど、スピルバーグは隠蔽派と開示派の追いかけっこを延々と描く。田舎のカーチェイス、田舎の列車アクション。観客の興味とズレた無駄なスリラーを、演出がうまいだけでド厚かましく押しきる。目を背けるなよ、これがスピルバーグ「らしさ」である。
しかしかつて「E.T.」(1982)では冒頭から人類より先に宇宙船と宇宙人を登場させ、1時間も経たぬうちに宇宙人にビール飲ませて酔っ払わせてた人の新作映画で、なんで宇宙人さまご登場まで2時間以上待たされにゃーアカンのか。結局、「本質からズレた引き延ばしをガチャガチャ続けて尺を埋める」ことそのものがスピルバーグ映画の本質なのである。
「縁の手紙」(韓国、2025)★3
いわゆるひとつのキラキラ映画でしたね。悪漢に御仏の慈悲は無用。韓国映画らしい。
「ユースフル・ゴースト」(タイ・シンガポール・仏・独、2025)★4
思ってもみなかった場所まで連れて行かれる映画。タイ映画、レベル高い。
同性愛者のみならず、小人症や車椅子など様々なマイノリティが登場する。この世では亡霊もマイノリティだ。「役に立つなら、居させてやる」と「扱われる」。誰の「役に立」てというのか。誰がそう「扱う」のか。権力者である。
差別、暴力、公害といった様々な今日的問題を、この映画は「権力が非権力を踏みにじる」という切り口で見せる。掃除機に幽霊が宿るというバカ話は一気に全人類史的な普遍性を獲得し、どうしようもないこの世の有りさまと、弱者のささやかな抵抗が描かれる。この世を歪めているのは権力なのである。
幽霊たちは権力者の自宅で寝込みを襲う。大きな声で言う気はないけどボカーねえ、悪い政治家や悪い資本家の自宅を、騙され搾取され虐げられた民衆は襲撃していいと思ってるんですよね。乱暴だと思うかい。無法だと思うかい。しかしそもそも乱暴なのは、民衆を踏みにじった権力者じゃないかね。だからこれは幽霊による呪い殺しじゃなくて、民衆による暴動だ。この暴動には正当性がある。市民革命や。オレなんかスットロいから荒事なんかとてもできないけどね、あいつら官邸にミサイルくらいブチ込まれないとマジで何にも判んないんだよな。だったらブチ込むべき、今。RPG! というのがわたくし積年の信条であります。
「青春ブタ野郎はディアフレンドの夢を見ない」(日、2026)★3
マス坊の代表作もついに千秋楽。商業ハーレムアニメの枠内の、吹けば飛ぶよな誠実さが好きだったよ。
「ストリートファイターII MOVIE」(日、1994)★3
オレはスト2には何の思い入れもないので、ただの空虚なアニメである。しかしよく動く。
バカバカしいゲームのバカバカしさを活かしつつそれなりにシリアスに仕上げており、結構な離れ業。いつも道着に裸足のリュウさんなんて、パスポートも持ってない無職のくせに世界を旅してる。それを大真面目な顔でやってる。なかなかできることじゃないよ。
監督はなんと杉井ギサブロー。オレは好きじゃないが、なんでもできる男だ。キャラクターデザインはF91で名を挙げた後の村瀬修功。制作はグループ・タック。いつもは「3丁目のタマ うちのタマ知りませんか?」とか作ってるのに、随分と違う作風である。
「我々は宇宙人」(日、2026)★2
よくできた映画だとは思えど、好きかといえば全然好きではなく、むしろ。
オレは世代が古いので、この映画の「子供時代あるある」の小ネタはあんまりピンとこない。ピンとこないだけでなく、それに意味があるとも思わない。あるあるだったら何なんだ、なんか偉いんかと思う。
さらに、小学校、ティッシュ配りやタクシー運転手など、作り手が自分の体験やリサーチによって造形したことと同じことを、曖昧模糊とした「サラリーマン」というものにやったとは全然思えないんだ。あいつはいったい何なんだ。なんの業種で何の仕事をやってるんだ給料ナンボやねん。スーツ着てふらついてるだけで、「サラリーマン」というフワッとした記号そのものだ。記号を拒否して馬鹿正直に描くというこの映画の姿勢を自分で裏切っている。それは観客への裏切りでもある。
個人名を貼り付けられたゲームソフトが、中古屋に並ぶ。そんなことはありえない。リアルな質感を売ってるだけに、ご都合主義は目に余る。オモロの誘惑に負けて描かれた、おかしな場面は多かった。
発達障害の男の懸想は女にフラレることで浄化されなければならぬ。ちゃんとフラレる(他者と向かいあい残酷を知る)という儀式を経ることができず、いつまでも「やれたかも委員会」を引きずって人生を喪失する映画といえば新海先生の「秒速5センチメートル」であるが、であるならば彼奴が「じゃーね」と決別すべきは記号丸出しのサラリーマンではなく惚れた女である筈だ。この映画は斯様な本質からの「ズラし」が満載で、核心を回避し続けるので尺が長くなる。よくできた脚本ですよ(イヤミ)。
醜い顔をした人間を、実際にどこまで醜く描くのかというアニメーション表現の問題もある。この映画はミもフタもなく醜く描く。オレはこれも気に入らないのだ。外見や容貌はほどほどでいいから、手順を踏んだ脚本と演出で醜く感じさせてほしいのである。しかるにまずいきなり醜い顔を大写しにして驚かそうとする。ほおおら醜いでしょう。怖いでしょお。ビジュ先行。ビジュ爆発。それはオレの好きな映画らしさとは遠いものだ。
イヤまーなんちゅうか、どうにかしてケチつけたくなる映画なんだよな。映画の人間観が根本的に気に入らない。この映画がオモチャにしているものを、オレはよしとはできない。それは出来不出来とは関係ないことだ。コンババ(根性ババ色)なんですわ。コンババ。
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