「CROSS†CHANNEL」(エロゲー)

まだ途中までしかやってないのだが、これは面白い。エロゲーをやりつくしたやつが最後に辿りつくような構造いじりものエロゲーで、作者はたぶん筒井康隆の読者であり、絶対に「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」を100回は観てる。しかしこれは何を書いてもネタバレになってしまうゲームで、まあオレのこんな日記でネタバレしたところでどうってことないだろうが、それでもこのゲームをこれからはじめてやるかもしれぬ人のサプライズを減じてしまうことは避けたい。なので内容については触れない。
雰囲気も物語も文章もとりたてて好きではないが、読ませる力があるので気にならない。セクハラ主人公、都合のよさそうな女の子たち、学校、部活、オタクへの目配せギャグ、くどくどナイーブな独白などのエロゲーらしい(とオレが思っていた)要素ばかりで構成されていながら、結果的に実にエロゲーらしくないゲームになっている。エロゲーだから当然エロシーンがあるのだが、それが始まってもオレは「いや、それより先を読みたい」と思ってカチカチ飛ばし読みしてしまった。これは例えばドラマもののAVを観ていて、絡みよりもドラマの続きを観たいと思って絡みのシーンを早送りしてしまうようなものである。AVに置き換えるとこれがいかに異常なことであるか、よくわかる。普通はドラマ部分を早送りするわけです。そういう意味ではエロである必要さえないゲームだが、エロゲー(少なくともギャルゲー)というパッケージでなければ成立しないトリックを構造上多数抱えているので、それもあまり気にならない。
福本伸行が「カイジ」でメジャーに出てきたときに、文壇で囁かれた「こういう才能は昔だったら小説を書いていた。今は才能がマンガに流れている時代だ。うーんざんねん」という意見を読んだことがある。オレはこのゲームにも似たようなことを感じた。まだ全部やってないのでアレだが(長いんだよな)、この調子なら5段階評価で★4はカタい。