古武術

テレビで「NHK人間講座」を観る。古武術研究の甲野善紀の回である。オレは数年前からこの甲野善紀という人に注目していた。紙プロでのインタビューがきっかけだったと思う。この人の書く本も非常に面白いのだが、読んでる人を見たことがないのが残念だ。
古武術の世界というのは非常に面白いものである。こないだ観た合気道の塩田剛三のビデオなんて面白すぎた。もうボンボン人が飛んでいくのである。古武術の世界においてハタから見れば魔法としか言いようのない技を見せる人は時々いるが、中でも塩田剛三はズバ抜けている。なにしろ人がボンボン飛んでいくんだから。
「達人」の技はあまりにも凄すぎるので、我々から見れば魔法にしか見えない。魔法を通り越してインチキに見えることもあって、事実インチキの人もいるのがまた面白いところなのだがまあそれは一旦置いといて、「しかし達人にも達人の術理があるはずだ」ということを研究しているのが甲野さんである。自分の神技を説明する言葉を持たなかった塩田剛三をはじめとする達人たち、その術理を研究実践して言語化しましょうということだ。そしてこの人はちゃんと伝わる言葉でものを語ろうと苦労している。「気を練って」とかセンスの悪いことは絶対に言わないから、活動が宗教化しない。もっとこの人の存在を世に問いたいなあ。

神技・塩田剛三 [DVD]

不安定だから強い?武術家・甲野善紀の世界