「ボウリング・フォー・コロンバイン」

去年この映画が日本で公開された時、オレは大阪にいた。ABCの近くの、スカイビルとかいうスカした映画館で観た。最近になって「華氏911」が観たくてたまらなくなり、その欲求を紛らわせるために改めてDVDを借りて観た。
うーん、やはり一部のスノッブが言う「こんなのたいしたドキュメンタリーじゃない」という意見はウンコ以下であると言わざるを得ない。インテリ好みの「たいしたドキュメンタリー」がいったいどんなもんかは知らぬ。地味でもすぐれた珠玉のドキュメンタリーが世の中にはたくさん埋もれているのも判る。でもそれ、誰も観てないからね。
世間に肉迫して、傷を負う覚悟で接近戦を演じている映画をバカにすれば賢く見えるという構図がイヤなんだ。昔っから世の中を変えてきたのは、インテリの賢さではなくバカのエネルギーだ。単館上映にすっぽり収まる鑑賞用ドキュメンタリーと、世間にサシで勝負を挑むムーアの映画を同列に論じちゃダメだ。