「パダヤッパ」

パダヤッパ?いつでも俺はマジだぜ!? [DVD]

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インド映画、といってもオレが観たことあるのはラニジカーント兄貴のタミル語映画ばかりだが、観るたびにいつもデ・カルチャーを感じるのだ。普段オレが意識さえしない理屈で物語が動いているのを観ると、感動するのである。惚れたはれたのオシャレ映画には感動しないが、インド映画において「貧富」「家」「信仰」などという、日本人が忘れてしまった概念が物語を動かす原動力としてガンガン謳われるのを観ると感動するのだ。それらは最終的にさらに巨大な「因果」という概念に飲み込まれ、インド人の価値観世界観死生観などあらゆる「観」がオレを圧倒する。ラジニ映画が素晴らしいのは、そんな物語においても、そんな因果律の中においても人は底抜けに明るく楽観的で能天気でいられるんだということを示し、賛美しているからだ。生きることを謳歌しよう、生を存分に味わおう、額に汗して働こうといった本来なら気恥ずかしい筈の歌詞をすんなり受け入れられるのは、幸せな映画体験というほかない。この映画では、永田さんの1億倍ビシッとキマッてるラジニ兄貴の敬礼がたくさん観られるよ!