「七人のマッハ!!!!!!!」

珍しく休み。いやホントは仕事場の上司や同僚とのイベントめいたものがあったのだが、やっとられんと思い避けた。
さてせっかくの休みなので新宿で「SAYURI」のチャン・ツィイーでも観てニヤニヤしようと思っていたのだが、時間がうまく合わずにふらふらと「七人のマッハ!!!!!!!」上映館に入ってしまった。
「長尺映画は興行的に儲からない」とは尺を切りたい製作者がよく言うことで、切られたくない監督は「タイタニック」を例に挙げて反論するというのが映画業界お決まりの定番スキットと聞くが、今日オレはなるほど製作者の言うことにも一理あるなと思った。「SAYURI」は2時間半、「七人のマッハ!!!!!!!」は1時間半である。フラリと新宿に行って、ちょうどいいタイミングで「SAYURI」に入れる可能性はかなり低い。今日のオレのような浮動層のいいかげんな観客を捕まえるには、「七人のマッハ!!!!!!!」のほうが有利なのだ。そして映画の興行とは、この浮動層をいかに小屋に入れるかという部分が素人考え以上に重要なのかもしれない。
映画はスポーツマンの七人の侍ごっこ。「マッハ!!!!!!!!」のときにも感じたが、タイ映画のアクションは確かに凄いことをやってはいるのだが非常に即物的というか、ロマンに欠ける。アクションやれる舞台さえ用意すれば、あとはもう凄いアクションやってればそれでいいという感じなのだ。それはタイの国技ムエタイが持つ「ミもフタもなさ」に似ている。バカな幻想を尊ばない国民性が見えて興味深いのだが、凄いことをやってるだけに観ていてどうにも歯がゆいのだ。観客はアクションを見ると同時にそのアクションの「動機」を知り、「意味」を感じたいのである。

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