「ギャンブル党狼派」「ああ勝負師」「ギャンブル人生論」 阿佐田哲也

ギャンブル党狼派 (角川文庫 緑 459-55)

ギャンブル党狼派 (角川文庫 緑 459-55)

ああ勝負師 (角川文庫 あ 4-6)

ああ勝負師 (角川文庫 あ 4-6)

阿佐田哲也といえば全部面白いに決まっている信頼のブランドである。学生時代にほとんど読んでしまったのだが、ほとんど忘れてしまっているので比較的軽そうなのを適当に三冊ほど選び、久々に読んでみた。学生時代は博打がひたすら面白くてノリノリで読んでいたのだが、今になって読んでみると博打そのものよりも登場する人物それぞれの人生が悲しくも面白く、なんともほろ苦いような心持ちになった。オレも少しは年をくって、阿佐田哲也の小説をただのギャンブル狂読者とは違う視点からも読めるようになったのかもしれない。今回は大名作『麻雀放浪記』全四巻はあえて避けたのだが、この調子ならもっと年をくってから再読する方がいいような気がした。それにしてもパイ活(麻雀牌を活字化したもの)を見るだけで胸が躍る。サイコロの目の活字もあるが、あれはサイ活とでも言うのだろうか。小説が盛り上がったところで飛び出すサイ活のピンゾロなんてオレはもうたまらないのだが、こうなるともう変態だ。