「児童性愛者―ペドファイル」

児童性愛者―ペドファイル

児童性愛者―ペドファイル

デンマーク児童性愛愛好者協会」(そういう連中がいたのだ)に潜入取材したジャーナリストの手記。目的はテレビドキュメンタリー番組の制作で、この本は番組放送後に潜入体験を書籍化したものだ。
この本が持つ社会的意義は認めつつも著者の根本的認識のヌルさが引っかかり、読んでいてもどうも味方できぬ。著者と翻訳者(中田和子)と巻末の解説(梁石日)の温度差がバラバラなのも非常に印象が悪い。そして、日本においてまずこの本を手に取る読者は児童性愛者その人ではないのだろうか。訳者と解説者の文章にはその認識がまったくなく、これではヘタレ仕事と言わざるをえない。