テレビアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」

友人の紹介で。4話まで観たが実に面白い。このところ見かける深夜アニメときたらパラダイスキスだのナナだのばかりでクズめクズめ死ねコラタココラと思っていたのだが、なるほどアニメの世界ではこういうことも起こっているのだなあ。これまだ先日始まったばかりのアニメで、千葉テレビだのサンテレビだののUHF局でやってるらしい。キー局のアニメがだらしないのか、この作品がマイナーリーグに突然変異的に出現したE.C.fuckin'W、はたまた哲っちゃんカッター或いはダンガンエルボーなのかはアニメーションの業界文脈を知らんのでなんとも判らない。
現代のアニメーション、とくにテレビアニメに対してオレが不満を漏らし過去の名作を懐かしむたびに、アニオタのど真ん中でパワーホール全開の友人は「チラ見で判断するな」「今を生きてるんだから今のアニメを観ろ」「ロックしろよ、ロック(木村一八)」とオレを責めたてる。
クォリティー的に「ちゃんとしている」こととは別に、このアニメの内容にも充分期待できるものを感じた。見せ方こそ奇抜でトリッキーだが、要するに世代の中で奇人変人とされる少数派が普通の現実の中でガチャガチャ動いてブイブイ言わせていくさまを面白く描いているアニメだ。オレはこのアニメーションが、クラスの中で少数派で裏街道の少年少女たちに勇気を与えるようなものになればいいなと思う。君たちはクズではない、かといって選ばれしサイオニクス戦士(幻魔大戦)でも全然ないんだけれど、現実と折り合いをつけつつ行動することで人生を少しでも面白く変える力を君たちはもともと持っているんだよというメッセージを、説教臭くなく伝える方向に行ってくれと思う。明らかに超常SF的物語と設定を背景に持ちつつ、しかしそれよりも地に足つけて日々を面白おかしく生きることが大切で、そのためには何はなくともまず自分から何かをしましょうという極めてまっとうな作品ではないかと、現時点では希望まじりに推測している。まあそれでもどこかでテーマの卓袱台ひっくり返されて、こんなアニメ死ねコラくそたわけコラとなる可能性も充分あるのでまだまだ形勢は予断を許さないのであるが。

涼宮ハルヒの憂鬱 1 限定版 [DVD]

涼宮ハルヒの憂鬱 1 限定版 [DVD]