永田さん、大晦日を語る・続き

内外タイムスより。

永田裕志のセカンドバッグ
(略)
正式に永田対ヒョードルが決まったのが大会前日の30日。一連のゴタゴタによってオレの闘志は全く高まらず、結果、ヒョードルに殴られ、ぶざまにKOされた。
こんなむちゃな試合断ればよかったのかもしれない。でも新日本所属のオレとしては、どんなことがあっても猪木会長の顔をつぶすわけにはいかなかったのさ!
敗戦後、ホテルに帰る時に大勢のファンが「永田、ありがとう!」と行ってくれたのがヤケに温かく感じられた。

確かにこの日の永田さんはサラリーマンとして、ショッパいながらも立派に闘ったと言えるだろう。今なら、オレも今ならそう言えるような気がしてきた。
だがしかし今でも我々プオタを戦慄させてやまないのは、永田さん同様に黒社会からの暴力を背景にした急なねじこみオファーであったにも拘らずコンビニ帰りのような涼しい顔で神戸ウイングスタジアムに登場して永田さんをポカポカ殴り倒して

「とてもハイクオリティーな大会で、こういう特別な日に出場できて大変うれしい。猪木さんにお礼が言いたい」

などとびっくりするようなことを言いながら微笑しちゃってるエメリヤーエンコ・ヒョードルという男のヤバさである。こういう本当にヤバい人の前では、いかに永田さんがサラリーマンとして立派に職務を全うしても屁のツッパリにもならない。そしてヒョードルのようなヤバさこそ、実は我々がプロレスラーに求めているものでもあったのだ。
結局オレがあの大晦日の永田さんを評価したとしても、それはヒョードルに心を折られた負け犬(永田さんとオレ)どもが傷を舐めあっているだけなのだ。そんなことは判っておるのだ。しかしなあ、傷ぐらい舐めたっていいでしょうが・・・ねえ・・・傷ぐらい舐めるでしょうが・・・ブライトさん・・・ねえ・・・聞こえてるんでしょう?・・・ブライトさーん!