ザ・グラジエーター、自殺

ザ・グラジエーターが死んだ。自殺だそうだ。
グラジといえば印象深いのは1995年9月26日、新生FMW後楽園ホールのメインで行なわれたグランドスラム勝戦・世界ブラスナックル王座決定戦。30分近い激闘の末に、粘るハヤブサカミカゼ・アッサム・ボムで失神させたグラジエーター。これが凄い試合だったので、興奮したファン達が全員リングの周りに駆け寄って「グラジ」コールを叫びながらエプロンサイドをバンバンバンバン叩きまくるという祝祭空間が現出した。
大仁田引退後のブラスナックル王座をハヤブサが獲れば、誰もが納得するハッピーエンドだった筈だ。にも拘らずグラジがもの凄い試合の末にハヤブサを失神させたもんだから、どいつもこいつもションベンちびって興奮したのだった。
メジャー級のポテンシャルを持ちながらも貧乏団体FMWで5年間も凄い試合をし続けてくれたグラジのことを、実はみんなが大好きだった。少なくとも途中でいなくなったビッグ・タイトンよりは明らかに好きだった。だからあのとき新エース・ハヤブサが敗れても、観客はザ・グラジエーターを心から称え、熱狂し、エプロンをバンバン叩いたのだ。その中にオレもいた。42歳の死は早すぎる。