全日本プロレス「プロレスLOVE in 両国vol.2」

全日の両国大会へ。
最終的なトータルで観客を満足させる「パッケージプロレス」は健在だった。全日がもっと支持を得ることでノア一党独裁体制への対抗馬になってくれれば、業界景気も上向くのではないかなあ。まあ新日はアレとして。
様々な選手が様々な魅力を披露、或いはダメなところを露呈、魑魅魍魎の百花繚乱、ああ生で観るプロレスはホント楽しいことよ、オモチロイことよと温泉につかったゆるゆるのおっさんの如くゴキゲンちゃんになっていたのだが、そんな余裕ある多幸感を突破し、観客を本気にさせたのが若干18歳の中嶋勝彦だった。
セミ前の近藤修司×中嶋勝彦の試合はそれほど凄かった。全日本という成熟した職人によって完成されたエンターテインメントの世界で、中嶋は発展途上の人間にしか表現し得ない、未完のプロレスをして見せた。それは溌剌としてまっすぐな、青臭くて爽やかなプロレスだ。両国を埋めたスレきったプオタどもが中嶋に対してだけは胸を熱くして、いっぺんにミーハーになってしまった。
一応書いておくが、これは極めてレベルの高いところで行なわれる発展途上プロレスであって、よくある「若手が頑張った」単なる好試合ではなかったので誤解のないように。両国に集ったプオタどもは、中嶋にプロレスの未来を見て熱狂したのだ。この業界の至宝・中嶋を完全に受けとめ、密度の濃い試合に仕上げてみせた近藤修司も最高の仕事をしたと思う。いい試合だった!