- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2010/04/21
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御無沙汰しております。シネスケに「ダークナイト」「グラインド・ハウス」のコメント投稿。ロドリゲス先生は最高ですなー。もう楽しくて楽しくて股間がヘソまで裂けたわ。
評判の高い「ダークナイト」は、その評価の高さも重々わかるのだけどどうにも気に入らない映画だった。一応コメント転載。ネタバレ。
「ダーティ・ヒロイズム宣言」がどこにもない ★3
3点つけるのが申し訳ないほどハイクオリティな作品で、日本の娯楽映画の現在はすでにハリウッドが2000年前に通過した場所なのだと思い知らされる。ただ、どうにも気に入らない作品でもある。ジョーカーの造形は見事で、彼がこの映画の世界観を支配している。彼は最悪の悪役として登場するが、同時に登場人物の中で最も正しい。筋が通ってない部分も含めて、言動に筋が通っているのだ。彼の思想はこの映画をリードし、世界のありようを我々に教えてくれる。
どうにも気に入らないのはバットマン=ブルース・ウェインだ。およそこの映画の中で最もものが判ってないのがバットマンで、こいつはまず自分のことが判ってない。バットマンはジョーカー同様キチガイのド変態であるにも関わらず、それに気づいていない。バットモービルでジョーカーを轢き殺さなかった場面でオレは呆れかえった。こいつはいったい何をやっておるのだ。おお、なんとこいつは法を遵守しておるのだ。もうねえ、お前はくるくるパーかと。そこは躊躇なく轢くところだろ。そしたらジョーカーは変わり身の術かなんかで無事でした残念、て場面だろ。
てめえのルールで生きていない人間に、魅力を感じることはない。この映画はバットマンのみを覚悟の座ってないボンボンとしてはっきり描いており、それが作り手の意図通りであろうとオレには気に入らないのだ。
サンフランシスコのハリー・キャラハン刑事なんかスコーピオよりも狂ってたわけで、あれは立派な人だったと思うのだ。『ダークナイト』からは、バットマンが内なる確信に衝き動かされ行動する場面がひとつも発見できなかった。それが実に残念だと思うのです。
ダーティ・ヒロイズム宣言―プロレスの味方、「悪役」を語りき (1983年) (角川文庫)
- 作者: 村松友視
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1983/07
- メディア: 文庫
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