「格闘遺伝子―山本流『五輪書』」 山本郁榮

格闘遺伝子―山本流『五輪書』

格闘遺伝子―山本流『五輪書』

神の子山本”KID”徳郁の父親すなわちGODであるところの山本郁榮氏が、宮本武蔵の「五輪書」を解説・引用しつつ息子徳郁を褒めまくるというちょっと狂った本。KIDの試合を振り返っては、この時のKIDのパンチはまさに「五輪書」に書かれているこれこれの極意である! 宮本武蔵万歳! 徳郁バンザイ! と絶賛する。
郁榮氏はかつてのレスリング五輪代表で、KID徳郁はメチャ強いプロ格闘家である。だから郁榮氏がKID徳郁を絶賛する本を出版しても当然いいのだけど、しかしですね、親が子をメチャクチャ褒めてる本を読むというのはそれだけでなかなか居心地が悪いもので、その一方でこの本には父親らしい愛情のこもった目線が一切ないので驚かされるのだ。山本”KID”徳郁の異常な才能に、退役格闘家・郁榮氏がただただマジで感嘆している本なのである。
想像するに、たとえばアニマル浜口浜口京子のことを書いた本(調べてみると数冊ありますな)ならば、もう少しアニマルの父親としての目線、教育論、家族愛、娘よかくあれかし、嫁に行ったら泣いちゃうなといった内容になると思われるのだ。山本親子は完全に2頭の雄(オス)と雄(オス)。なんという肉食獣…!