- 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
- 発売日: 2006/09/29
- メディア: DVD
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このアニメを観た人々には言うまでもないことだろうが出崎「宝島」の凄さは、何はなくともジョン・シルバーの人物造形にある。スチーブンソンの原作ではただ悪役だった一本足の海賊シルバーを、出崎統は男の中の男として描いた。主人公の少年ジムはシルバーにあこがれ、正体を知って傷つき、しかし裏切られてもなおシルバーへの憧れを捨てない。シルバーは、単純な善玉や悪玉を超えた「凄玉」として描かれる。物語は敵と味方に別れた男たちの虚々実々のかけひきと抗争の日々を語るのだが、敵同士となったシルバーとジムの間に揺るがぬ強い絆があることが同時進行的に描かれる。これはマーなんちゅうか、非常にシビれますなあ… そして、子供の頃の単純なオレではやはりこのアニメーションに「乗る」ことはできなかったのだろうな、この味わいは理解できなかっただろうなと感じた。
主題歌が名曲すぎるので貼っておく。
出崎統は(子供の頃から知っていたのに)、オレがおっさんになってからようやく「発見」できた凄腕のアニメーション監督だ。まだ観てない作品の方が多いくらいなので、全作品を観るまでまだまだ先は長い。楽しみにしている。