- 作者: 金子達仁
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2003/11
- メディア: 単行本
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では好青年だからタチがいいかというと、声を大にして言いたいのだが全然そんなことはねえのである。この本からは高田のタチの悪さが存分に味わえる。巷で言われるような暴露本的内容も多分に含んでいるが、オレにはどうしても高田本人に悪意があるとは思えなかった。そして悪意がないからこそ、高田はタチが悪いのである。この本は油断がならないのである。ふと、前田日明の無邪気で無防備すぎるまっすぐな悪意が懐かしくてたまらなくなった。高田がどんなに誠実に自分を語ろうと、高田とて今を生きている以上、「今」を否定することだけはできない。過去のプロレス遍歴を暴露気味に語ることはできても、PRIDEに関しては当然表の部分を語るだけに留めている。それでは本当に人の心を揺さぶる本にはならない。所詮セーフティエリア内での「誠実」なのである。その意識せざるサジ加減の向こうに見える高田の保身こそが、プロレス村の怒りを買っているのだろう。
高田と相談していた宮戸・安生が「山崎さんと中野はいらないと思います」と言ったという記述だけで、もうオレはおなかいっぱいであった。あと関係ないけど北野武の「座頭市」のポスターの「最強。」ってコピーはUインターのモロパクリだよな。鈴木健、おまえは噛みつかないのか!