「ハチミツとクローバー」羽海野チカ(6巻まで)

ハチミツとクローバー (1) (クイーンズコミックス―ヤングユー)

ハチミツとクローバー (1) (クイーンズコミックス―ヤングユー)

id:atoz:20040415とid:atoz:20040614にあるとおり、これは山田さんに出会うための本である。山田さんは最高である。山田さん以外に感じるものは何もないと言いきっていい。しかしまあ、どいつもこいつもいい気なもんですわ。オレはこいつらと同じ年頃には、多摩川の河川敷で友達相手に殺人バックドロップしてたんだよな。
読んでいる最中、どうにもペースがつかめずにフワフワと不安な感じだった。そうだ、こういう恋愛恋愛したマンガにはハレとケがない。いやあるにはあるのだが、いつハレがきていつケがくるのかさっぱり判らないんだ。少年マンガだったら、擂台祭が始まったらそんなもんどう考えてもハレだから判りやすい。ただこの「ハチミツとクローバー」のハレとケの使い分け、或いはギャグとシリアスの使い分けと言ってもいいが、これがオレにはどうも気に入らない。ワーワーギャグやって、フッとシリアスやればそのシリアスは「効く」という計算が鼻につくのだ。
ギャグシーンはギャグなんだから思い切りよく嘘もつく、でもマジシーンはマジだから繊細なことも言ってくれちゃったりする。果たして少女マンガの大半がこういった作品内での使い分けをごく自然にやっているのだろうか、ちょっとオレには判らないのだが、しかしこれずるいと思うのですね。どこか決定的に信用ならない感じがするのです。オレが好きな「ガラスの仮面」や「エースをねらえ!」には、そういった使い分けはなかったんだがな。