今日の東スポ

地方巡業中の新日本プロレスにおいて旬の話題は絶賛現場監督中の長州であろうが、こういう東スポしか拾わぬような微弱な電波を発信し続けることに懸命な選手もいる。

永田&中西、レスナーへの挑戦を表明

ま、正直言ってありふれた記事です。掲載写真は巡業合間の福岡市内、飾り山笠の前で上半身裸、神輿を担いで大はしゃぎのパフォーマンス。これ、確かに30過ぎたおっさんのやることじゃあないかもしれない。センスがいいとはお世辞にも言えないアピールだ。でもねえ、オレこういう人たちを嫌いになれないんだよなあ。

地方にあって、その地方らしい特色を出すこと。市街地でも裸になって、大らかにプロレスをアピールすること。プロレスの世界においてはこんなのは基本的なことで、地元の名物とプロレスラーが絡んでくれたらそりゃあ田舎に住むファンは嬉しいもんなんだよ。オラが町にプロレスがやってきた感満点なんだよ。

勿論、アピールしたからって簡単にレスナー戦が実現したりはしない。ここから更に二転三転、七転八倒の悶着を旅巡業とともに東スポ上でたっぷり見せていく寸法だ。

プロレスに深入りする勢いで、間違って格闘技の世界に半分足を踏み入れてしまったファンとして不思議に思うのだが、いったいどうして格闘技の選手はこういうことをしてくれないのだろう?

客が入らないと困るのは、あいつらだって同じでしょう。いくらなんでも「主催者からギャラが出さえすれば客入りはどうでもいい」なんて意識の低い選手は、少ないと思うんだ。だったら東スポに載る努力、露出する努力、記事になる努力をなぜしないのだ。

美濃輪育久がいつも試合前に東スポ呼んで特訓するでしょう。あれを平成のデルフィン的格闘家たちは面白おかしいお兄ちゃん、自己顕示欲の強いプロレスラー、ネジの外れた天然坊やとして一歩引いたところからネタとして笑ってんだろ。彼に学ぼうという発想さえないんだろ。

オレに言わせりゃ、美濃輪のアピールでさえ不充分だ。プロモーションとしては必要最低限ですよ。そんなもんなあ、川崎球場での電流爆破を控えたFMW時代の大仁田なんか、大会2ヶ月前からほとんど1日も欠かさず東スポに載り続けてたよ。毎日毎日、何かしら記事になるような特訓、記事になるような発言、記事になるような仲間割れをガッチャガチャやってたよ。毎日毎日、東スポを読むことが楽しくて仕方なかったよ。

オレが思うに、格闘技の選手はそういうところが生ぬるい。なってない。要するに彼らは、ガッチンコやってりゃいいんだろと思ってるんだ。強けりゃいいんだろと思ってるんだ。それって本番させればいいんだろと思ってる風俗嬢、爆発してりゃいいんだろと思ってるマイケル・ベイ、開脚してりゃいいんだろと思ってるジャン=クロード・ヴァン・ダムと大差ない。プロ意識が足りない。努力と工夫が足りない。それじゃあアマチュアに毛が生えた程度だ。

小林魔裟斗君や須藤元気選手のように、CMに出たりオシャレ雑誌でファッションモデルやるのもいいだろう。しかし欲を言えば、オレは格闘家の皆さんにはもっと厚かましくなってほしいのだ。大仁田のような、世間さえワンマンで仕切っていく異常感性の格闘家が1人や2人いてもいいんではないかとオレは思う。そういえば昨日テレビ観てたら大仁田、勝手に会ったこともない若造議員を仮想敵に仕立ててマスコミ集めて言いたい放題、挙句の果てに「パフォーマンスしちゃいけないんですか」だとよ。「邪道で何が悪いんじゃ」のまんまで政治家やってるわけで、これは政治家としてはどうか知らんが大仁田としては圧倒的に正しい姿勢だ。格闘家だって、プロである以上知らぬ存ぜぬは許されませんよ。強さ比べから、より高く険しく危険な「人間比べ」の土俵に上がって来いよと。男の中の男たちよ出てこいやと。あんなにプロレス下手な藤田だって、「ヘイブロック! アーユーレデー?」とかいって吹っ飛ばされてる瞬間は最高に面白かったよ。プロだったよ。飾り山笠しょった裸パフォーマンスは、世界最高峰の東スポのステージ。アマチュアなどいらなぁーい! ここは東スポ、ド素人には上がれないリングゥゥー! (これホントに書いてて気持ちいいフレーズだな)