オレは決して邦画を嫌いな男ではないのだが、あれはいつだったか黒沢清「カリスマ」と青山真治「シェイディー・グローヴ」という、繊細な神経の僕にはちょっと耐えられないような杜撰な映画を続けて観たことがあって、以来うんざりしたオレは邦画から遠ざかっていた。この空白の期間に全米が泣いた邦画は「Deep Love 劇場版 アユの物語」だけという体たらくであり、評判のキャシャーンもデビルマンも観ていない現状では、いくら厚かましいオレでもとても映画好きなどと名乗れたものではない。そこで、オレの中で何年も止まっていた邦画の時計の針を敢然と進めるべく新大久保映画祭(秋)を1人で決行することにし、とりあえずは第一弾として4本借りてきたよ。
「HANA-BI」(北野武)
「ジョゼと虎と魚たち」(犬童一心)
「ディスタンス」(是枝裕和)
「カンバック」(ガッツ石松)
最後のは公開当時劇場で観たが、他はすべて初見。