「ザ・シンプソンズ MOVIE」の吹き替え問題

日刊スポーツの記事より。

米国民的人気アニメの劇場版「ザ・シンプソンズ MOVIE」の日本語版で、和田アキ子(57)所ジョージ(52)ロンドンブーツ1号2号の田村淳(33)ベッキー(23)が、シンプソン一家の声を務めることが14日、分かった。

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最悪の暴挙である。何がどう最悪なのかはめんどくさいから書かない。各自、破壊屋さんの記事でも読んで理解していただきたい。
オレはもう、映画の配給会社に何の幻想も持っていない。あいつらは興行成績が良ければ作品なんてどうでもいいと思っている普通の人たちに過ぎない。何らかの文化に携わっている自覚など、まったくないのである。驚くべきことに、これは本当にないのである。ヒットしたら給料上がるかな、というニワトリ程度の意識しかないのである。オレは映画版「シンプソンズ」がこの新キャストにしただけで大ヒットするとは思ってないが、ただヒットしなかった場合に「それでも声優を芸能人にするなどの努力はしたんですけど」と言い訳できることが、奴らにとって大事なだけだ。それはFOXの社内的な話であり、大きく捉えてもせいぜい国内芸能界の行政的な話だ。それが、連中の生きている世界だ。小さい、小さいって!
この文章を読んでいる方々を煽る気はないし、ファンたちで結束して配給会社やタレント事務所に抗議するなどの運動にわっしょいわっしょい参加せいとも思わない。そういった運動にはいい面もあるが悪い面もあるということを、オレは「指輪物語」公開時の戸田奈津子誤訳騒動から学んだ。
ただ、日本の映画興行界ではいまだにかような蛮行が横行していること、映画を配給する連中はこういった芸能人吹き替えに興行的価値があると考えていること、日本の観客がそのレベルと考えられているということ、要するにナメられているということは、みんなが知っておいていいことだと思う。個人的には、この決定を下した責任者の名前が知りたい。殺すから。