- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2009/05/27
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この映画はマカオが舞台なんだけど、アンソニー・ウォンでマカオといえば「八仙飯店之人肉饅頭」ですよね! ですよね!
死ぬほど面白いしカッコいいし文句言ったらバチが当たりますが、連中の育ちと絆の裏づけがボンヤリ写真しかなく、記号的でいかにも軽量級と思う。 (★4)
たとえばジョン・ウーの「ワイルド・ブリット」なんか遥かに不細工だけど、疑いようもなく重量級だった覚えがあるのだ。ジョニー・トーもジョン・ウーも同じようにフランスのノワール映画にガーンときた監督たちだと思うのだけど、出力される作品はそれぞれに個性的で違ってて、面白いなーと思う。トーさん描くアウトローたちは、はっきり子供である。アンソニー・ウォンとかラム・シューなんか凄まじい面構えのオッサンだから最初は惑わされるけど、心はみんな子供、男の子、悪ガキたちなんだ。いつまでもダチンコと遊んでいたいんだ。だから黒社会のルールに逆らってしまう。レストランに突然ボスが登場して(この場面最高)、裏切ってたアンソニー・ウォンにブチ切れてビンタしまくる。あれって、イタズラがすぎて暴力教師にしばかれてる小学生男子の図だ。トーさんは、ヤクザもんを限りなくピュアな少年として描く。その世界には確かに陶酔があるし魅力的だ。しかし、完全に我が身を任せるのもちょっとためらわれるんだよな。お耽美な少女漫画のような、危ういハリボテ世界に思えるのだ(お耽美な少女漫画をよく知らないのに勝手にイメージで書いてます)。トーさん天性の映画偏差値の高さもあって、なんだか「簡単に信用してはならん」感じがするのです。ジョン・ウーは15秒くらい観たら信用するのにね。申し訳ないと思っています。