ぼくとコロナと国と

今まであんまり書かないでいたことを書こうと思う。暗い世相に読むにはまったく楽しくなく、たいへんよろしくない内容であり、しかもクソ長い。ほとんどの方は数行読んだら眉をひそめてブラウザを閉じることだろう。しかし現在非常にやさぐれた気分のオレが、2020年4月にはこんな気分だったと後から振り返るための記録として書いておこうと思う。「バイオハザード」のアンブレラ社研究員の日記みたいなものだ。ゾンビなりかけの男が書く世迷い言なので、あんまり気にしないでいただきたい。マジメに反論されても困るのだ。

世界を変えてしまったコロナウイルス禍の中で、我々日本人が何をやっておるかと言えば、自国のアホな政府を罵倒しているわけだ。

政府のアホさは想像を絶しており、コロナの前に政府のアホさに殺されそうな勢いだ。こんな未来は想像もしてなかった。SFでさえ予想できなかったアホな世界。しかし政府はアホであるばかりか、邪悪でもある。

わたくし思うに、そもそも政治家になろうと思うやつの大半はろくでもない。職業に貴賤なしの原則を否定するようで後ろめたいが、これは大半ろくでもないやつらなのだと心から思っている。とりわけ自由民主党に入ろうというやつ、これは例外なく全員ろくでもないと断言できる。

古い話だが、オレが十代の頃にリクルート事件というのがあった。株ってなんだろうホンダのバイクかなレベルのアホアホ高校生だったが、大人がやたら騒いでいるので気になってそれなりに調べたよ。なるほど、こらあーいけませんね、と思ったものだ。

オレが驚いたのは事件そのものではなく、事件以後も自民党自民党のままで、リクルート社はリクルート社のまま今に至る、という事実だ*1。たとえばラーメン屋が食中毒を起こしたら普通潰れるし、続けるにしても屋号を変えるんじゃないかと思うのだ。しかし自民党は元気いっぱいに自民党のままであるように見えた*2。さらにリクルート事件の後でも自民党に入りTai! という連中は引きも切らず押し寄せ、続々政治家になっていく。なんじゃこれは。お前ら甘い汁を吸いたいだけやんけ。オレも吸ってみTai!

などとオレが思ったようなことを、もっと上の世代はロッキード事件の時に思ったのかもしれない。なにしろいつの世も自民党はクソなんである。ホント、恥ずかしくないのかね。真顔で自民党でございなんて、オレにはとても無理だなあ。

じゃあーお前はドコ党支持のナニ党員なんだよと言われるかもしれないが、恥ずかしながら別にないんだよな。オレなんか人類が農業始めたのだって果たして正しかったのだろうかと懐疑的なくらいの低能アナキストだ。資本主義なんか何かの間違いだと思っているのだ。そりゃあ文明大好き、文化大好きで資本主義や民主主義の恩恵受けまくり人間なんだけど、だからってありがたやありがたやと平伏する気にもなれないんだ。オレが「自分はホニャララ主義の恩恵を受けて生きているからホニャララ主義は正しいのだ」という態度をとりたくないのは、簡単に言えば「ヤクザに育てられたらヤクザにならんといかんのか」ということだ。それは自由とは程遠い、奴隷の態度だからだ。ま、特に支持政党はなくても選挙の時はその時代のその地域で自民党がいちばん嫌がりそうな対立候補に入れてきた。

出身地の香川に移住してもうすぐ1年になる。東京にいる頃はあんまり感じなかったが、いかに自民党(的なるもの)が日本全国津々浦々の田舎の社会に広く深く根を張っているかを実感して、暗澹たる気分になる機会がかなり多いのだ。それは、ひとつひとつの事例を見ればしょうもないことだ。選挙はもちろん自民党に入れます。なぜならあの人に世話になったから。あの人は、また別のあの人に世話になったから。この人は息子が就職の世話になった。その人は娘の結婚の仲人をしてくれた。「お世話」の連鎖を遡ってゆけば、高確率で自民党に辿り着く。そういう構造になっている。コロナも顔負けの自民党感染経路だよ。仕事をまわしてくれたから。御馳走になったから。お中元をくれたから。そういうのを「おつきあい」とか「縁」なんて呼んで誤魔化している。このように生活の小さな「負い目」に縛られて、それなのに縛られてるなんて夢にも思ってもない連中ばかりなんだ。自由を知らないと、安い餌で飼い慣らされてしまうんだ。政策の内容なんか、まったく関係ないんだ。自分が生きるこの世界が少しでもよりよくなるためのビジョンなんてどこにもないんだ。こういうベタベタしたやつは、大都市にもある。オレも知ってる。でも田舎には、ベタベタしたやつしかないんだ。

今回のコロナウイルス禍、自民党・官邸・行政府の行いは間違いだらけで、そもそもコロナの前から酷いことだらけで、まあよくもこれほど高確率で不正解を叩き出し続けられるものだと感心するやら呆れるやら、激怒するやら泣きたくなるやらでオレはすっかり情緒不安定だ。Twitterでの振る舞いも荒れ果てた。しかしですねー知ってますか、池畑慎之介という立派な人がいましてね、こういう事を言ってたんですよ。

「狂ったこの世で気が狂うなら、気は確かだ」*3

だからまあ、しゃーないのかなという気もするんだよな。むしろ冷笑的になって、真剣な人をバカにする方が邪悪だと思う。それって奴隷が奴隷をいじめてるようなもんだからな。

コロナさんにはなるべく早く地球からご退出いただければと願いつつ、その後のことも心配なんだよな。最悪な政府の最悪さがかなり誰の目にもハッキリしたんだから長く続いた自民党の時代も終わり、今後は誰も悪さができないくらいの早さで政権がコロコロ変わるようになるのではないか… とオレは願望混じりに思っている。しかし上に書いた頑迷強固な田舎の空気も日々身近に感じているもんだから、オレの淡い願望なんて風の前のハナクソのように消し飛んでしまうような気もするんだよなあ。どうなるのかなあ。一寸先は五里霧中だよなあ。

などとモヤモヤしていたら、今朝のTwitterでこんなものを見かけて驚愕した。

いやちょっと、いやこれは… 怖すぎる… あべちゃん… あべちゃん?

*1:株を貰った議員は自民党ばかりではないが。

*2:ちなみにリクルート社もろくでもない。なんならリクルート事件がなくても、ハナっからろくでもない

*3:「乱」(1985)