オーケイだいたいわかった(わかってない)

コロナウイルスの蔓延から、世の中すっかり様変わりしてしまった。

この2月以来、未知の疫病へのパニック映画的な恐怖、正常性バイアスによる根拠なき落ち着き、志村けん死んじゃった、無能政府への怒りといった様々な気分を反復横跳びのように行き来する日々が続き、続きといってもたかが2ヶ月程度なんだが、わたくしは早くも飽き飽きしてしまった。我ながら飽きっぽい。オーケイわかった、もうええわい。コロナウイルスな。わかったわかった。今後はコロナありの世界で生きるんだな。あるいは死ぬんだな。オーケイ! 遠慮なんかするこたねえって。遠慮されても困るよお前。どうってことねえよ。

コロナウイルスの、感染しても7割か8割は無症状か軽症という「感染戦略」は(ウイルスに戦略たてる知能はないんだけど、まあまあ)、人類の弱点をついており凄いと思う。感心する。厄介だとも思う。しかしですね、極端な例だけどエボラ出血熱なんか発症したら全身の穴から血ィ吹いて9割死ぬんですよ。なんだそれ怖すぎる。問答無用かよ。皆さん「エボラ・シンドローム~悪魔の殺人ウイルス~」とか最高なので観てくださいね。今の時期、NHKで放送してもいいくらいの名画だよ。

なのでエボラが流行ることに比べりゃあ、大したことはない。もちろんコロナでも人は死ぬ。死ぬけど、確率は低い。可能性ということなら人はインフルエンザでも死ぬし、交通事故でも死ぬし、雷に打たれても死ぬし、競馬で負けて死ぬことさえある。コロナで死ぬのは死ぬ人にとっては確率100%なわけで確かに悲惨だけど、まあしょうがないんじゃないですか。上司に文書改竄を命じられて従ってしまった自分が許せずに自殺した財務省の赤木さんの方が、はるかに悲惨でむごい、理不尽で気の毒な死に方だと思う。

もちろんいちばん大変なのは病院なので金と人手を(人手が全然足りない、というのが最も怖いよな)ジャブジャブ突っ込んで、まず医療スタッフがまともに休めて、まともに働けて、いいギャラ稼げるようにすべきだろう。病院とて無い袖は振れぬ。「医者が休んだために自分が、友人が、親が、妻が、子供がコロナで死ぬケースもあるがそれは仕方がない」ということを、我々は受け入れなくてはならない。コロナで死ぬ可能性ありの世界を、今まで通り生きてゆくしかない。我々の世界に新しい落とし穴が増えるわけだが、そもそも以前からこの世界は落とし穴だらけだったのだ。あんまりガタガタ騒ぐことはない。粛々と今まで通り、生きたり死んだりするしかない。

真に深刻な問題はすでにウイルスそのものから、ウイルスに対する社会の反応の方に移っているのだ(いや最初からか)。感染者を差別するなど言語道断。営業自粛しない店舗を責めるなどあってはならぬ。政府の対策は日替わり弁当のようにコロコロ変わり、まあ状況が変われば対策が変わるのも当然なんだけど、そもそも誰にも状況を把握できてないように見える。政府の無能は今回に限ったことではなく、ずっと無能無策邪悪だったのがコロナで露見したにすぎない。ま、我々は文句言いながらじっと耐えがたきを耐え、連中を選挙で殺し、ブタ箱にブチこみ、あるいは実際にブチ殺すしかない。

緊急事態宣言とかどうすんのかね。政府は「こういう状況になれば宣言解除」というゴールさえ決めずに世論に押されてなんとなく雰囲気で宣言してるだけなので、戦略もなければビジョンもなく、ろくな補償すらない。連中には最初から緊急事態宣言する資格も、宣言解除する資格もないのである。こんなデタラメな緊急事態宣言なら、医療体制の強化は絶対だが、ほどほどで解除したほうがいいと思う。この国ではみんな仕事して、カネを稼いで世の中を回して、以前よりは感染予防に努めながら、しかしたまにコロナで死ぬ。そこはもう諦める。コロナ以外でも、熊とかで死ぬ。自民党は殺す。ディテールはいろいろあるだろうが、全体としてはそういう感じだろうなあと思う。

落ち目の日本人らしくモヤモヤと生きながら、もっと悲惨なことになってる他国を少しでも援助できるようになれれば、まずまずじゃないですかね。五輪はやらない。コミケもプロレスも当分できないだろうが、コロナありの世界に合わせて考えていくしかないだろうなあ。でも映画館は開けてほしいんだけどな。

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