多忙につき更新できず
「映画 聲の形」 きみたちはテリーマンか
現在、短い夏休みを過ごしております。台風や雨ばっかりだけど。
- 発売日: 2017/05/17
- メディア: Blu-ray
「映画 聲の形」を観てきた。映画を観ながら連想したのは原恵一の映画「カラフル」と、現在webで連載中の「キン肉マン」におけるテリーマンだった。近年のテリーマンは「わかりあうために闘う」ことをテーマに掲げており、ジャスティスマンとのイデオロギー闘争においてボロボロの体になりながらも生還を果たした。なぜ「左足を奪われ両腕をもがれても戦うテキサス・ブロンコ」テリーマンを連想したかは、以下の感想に書いた。原作と映画のネタバレがあるので、未見の方は読まないように。とっととブラウザを閉じて、劇場に観に行ってください。
続きを読むコミュニケーションの失敗を正すため、たとえ傷ついてもノーガードで何度もぶつかりあう青少年たち。その姿は痛々しくも眩しく、尊いものに見える。(★4)
ボーキャクとは忘れ去ることなり 「君の名は。」
- 発売日: 2017/07/26
- メディア: Blu-ray
万人向けとまではいかずとも、若い世代の支持を得るエンターテインメントを新海先生がモノにした一方、劇場に貼られていた「好きになるその瞬間を。 告白実行委員会 劇場版第2弾」のポスターを見て、いま本当にヤバいアニメの最先端はたぶんこっちなんだろうなと思ったりしました。
以下感想、例によってネタバレありなので観てない人は読んじゃダメですぜ。
続きを読む2人が出会うことを、観客が望んでいた。それがもう答えだろう。 (★4)
CinemaScape
「オワコン」或いは「廃墟」と呼ばれて久しいCinemaScapeでありますが、このたびわたくしの被投票数が4000を超えました。あらためて、皆様に感謝します。
庵野秀明の「シン・ゴジラ」
もったいなかった「海にかかる霧」
ブルーレイで2014年の韓国映画「海にかかる霧」。
プロデューサー(の1人)にポン・ジュノ。監督は「殺人の追憶」の脚本をポン・ジュノと書いたシム・ソンボ(初監督作)。脚本は「殺人の追憶」コンビのポン・ジュノとシム・ソンボ。2003年の傑作「殺人の追憶」のスタッフ配置を入れ替えただけみたいな映画だ。当然テイストも似通っているが、「殺人の追憶」よりは落ちる。まー仕方ないんだけど。
展開が予想できず面白かったので、予備知識なしで観るといいですよ。韓国映画の残酷やナマグサや憂鬱なのが苦手な人は避けたほうがいいと思います。以下、なるべくネタバレなし、でもちょっとネタバレな感想。
続きを読む「船が揺れてない」問題と「漁師最強説」の落日 (★3)
BL大好き腐女子の冒険 「ぼんとリンちゃん」
マンガ実写化の底抜け映画が目立つ昨今の日本映画なれど、いやいや日本映画にも傑作ありまっせという御意見はあり、わたくしもそりゃそうだろうとは思っている。しかしたとえば近年世評の高い是枝裕和監督なんかは、拷問のような初期作「DISTANCE」を観た当時ボカー激怒したわけで、だから近作の評価がなんぼ高かろうと一切観る気が起きない。「そして父になる」とか「海街diary」とかよさそうですよね、オレだってそれぐらいなんとなく判ります。でも観ない。
興味はあるもののまだ作品を観たことがない監督は何人かいるが、洋画もあるしアニメもあるしでなかなか手が回らない。まあ実写「進撃の巨人」を後編まで観たやつがなに言ってんだという話で、お恥ずかしいばかりなんだけど。
「ぼんとリンちゃん」は伊集院光のラジオ番組で昨年、ゲストの山本晋也カントクが褒めていたので興味を持った。現代のオタクの生態、その特異な立ち振るまいのリアリティがとても面白いということだったので、すっかり遅くなったがようやく観てみた次第。これがですね、まあ冒頭数分はどうしたもんかと思ったものの、じきに映画のペースに慣れて、観終えてみると意外に… いい映画だったのですね。こんな日本映画もあるんだなーと思えた。DVDの音声レベルが低すぎてセリフが聞き取りづらいのが問題で、テレビのボリューム最大にして観たよ。
映画が作られた2014年の「今」を徹底的に捉えた映画なんだけど、見かけよりも遥かに普遍的な青春映画になっていると思った。客を選ぶ映画だとは思うし、オレだって若い頃に観ていたら腹を立てていたかもしれない。だからあんまりオススメしないけど、まーこんな映画もあったということくらいは知っておいて損はないかと。以下ネタバレ、観てない人は読んじゃダメよ。
続きを読むわたくしの如きおっさんにとっては遠い記憶となった煩悶が、若者にとっては現在自分を取り囲む世界そのものであること。年代とともに若者は入れ替わり続け、しかしいつの世にも若者は煩悶していること。 (★4)
夜を這うもの「ナイトクローラー」
- 出版社/メーカー: ギャガ
- 発売日: 2016/02/19
- メディア: Blu-ray
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BDで「ナイトクローラー」鑑賞。ネタバレありますのでご注意を。
続きを読む「遠い空の向こうに」の夢見る少年ジェイク・ギレンホールが、こんなになっちまって。(★3)
あんまりいただけない「人はなぜ格闘に魅せられるのか」
人はなぜ格闘に魅せられるのか――大学教師がリングに上がって考える
- 作者: ジョナサン・ゴットシャル,松田和也
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2016/02/26
- メディア: 単行本
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著者は大学の英語教員で、本人の記述を信頼するならば、まあパッとしない中年男だ。彼が大学の向かいにあるMMAジムに入門してからの様々な体験、人類特にオスにとっての格闘=決闘についての考察、暴力を避けてきた半生の回想、MMAの練習における他者との関わりや得た知見、など、など、などが、まー出鱈目な順序で書かれている。
続きを読む東京五輪に関する愚痴
今回は不快な文章ですみませんと予め謝っておくしかないネガティヴな内容なんだけど、なーもうさー今からでもオリンピックやめようぜーゴロゴロ、という気分が止まらない。2013年に東京開催が決定するよりも以前、招致運動の時点からオレはイヤだったんだ。東京に住むオレは、オリンピックの年に爆発的に発生するに決まってる不都合の無限連鎖、想像を超える醜態の数々、非日常に興奮したバカどもの大騒ぎ、など、など、などを間近で見ざるを得ず、それらを心から忌み嫌う者だ。いやいや東京五輪はもう決まったことなんだから張りきっていきましょうがんばっていきまっしょい、という方々も多かろう。それ知ってるよ、一億火の玉だろ、欲しがりません勝つまではだろ。合唱の練習に必死になる女子か。静かに暮らしたいと思っているのは吉良吉影だけじゃあねえんだぜ。
だいたいオリンピックなんて売出し中の後進国か、安定の超大国でやるもんじゃないのか。今や日本は国力ガタ落ち、落ち目で貧乏くさい国なんだよ。落ち目を世界にアピールしてどうすんだみっともない。
加えてオリンピックなるイベントが素晴らしいもんだとは全然思えないので、張りきっている連中がオレには田舎者にしか見えない。あんなもんは毎度毎度発祥の地ギリシャでやっておればよいのである。いや、そもそもオリンピックそのものが必要ないのだ。例年、各競技毎に世界選手権をやっておるわけで、それで何か問題あるのかと思う。近代五輪の歴史なんてたかだか100年ちょっとだろ、クソしょうもない。ボクシングのクインズベリー・ルールより歴史浅いやん。大相撲なんか江戸時代からやってるからな。
2020年東京五輪が現代日本人の悪いところすべてを白日のもとにさらけ出す地獄のイベントになるのは、もはや明らかであるように思う。招致活動をしていた連中の嘘八百。決まってみればやれエンブレムだ、新競技場だ、追加予算だ、賄賂だなんだとクソみたいな話だらけ。何かあるたびにオレは「そら見たことか」「言わんこっちゃない」と胸の内で呟いていたのだが、頻出する問題の多さに最近は「そおおら見たことかあ。言わんこっちゃあないんだよおお。ほええん」などとリアクションが大げさになってゆくばかりでバカみたいだ。心の底からうんざりしてるんだけど、ナーニこんなもんで済むわけがないからね。これからもまだまだ出てくるぜ犬のクソが山盛りなんだぜ。オリンピックとパラリンピックがようやく終わるその時までに、自分が日本人であることがどれだけ嫌になっているだろうと想像すると、今から憂鬱になるんだよなあ。