「柔道部物語」 小林まこと(全11巻)

柔道部物語(1) (講談社漫画文庫)

柔道部物語(1) (講談社漫画文庫)

以前に何度か読んだことはあるが、久々の一気読み。
オレにとって小林まことといえば1も2もなく「1・2の三四郎」であるが、「柔道部物語」も凄い。この実に面白い物語さえ小林まことなら描けて当然だと思うが(まあそれくらいオレが小林まことを好きだってだけのことですが)、今回驚いたのは絵のうまさである。もうケタ違いにうまい。柔道の攻防を通して運動の「流れ」をこれほど美しく見せる漫画家は、他にはちょっと思い当たらない。ふたつの人体の重心が動き、移り、流れ、時に反発し時に落下し時に投げとばす。カット割りも絶妙で、これ以外ないんだという割り方をしている。大ゴマをあおりでとらえるアングルもメチャメチャうまいのだが、これは高校時代柔道部に所属していた小林まことが畳に這いつくばって実際に見た世界なのだろう。これ、外国人が読んだらびっくりして腰抜かすんじゃないだろうか?