「アイの歌声を聴かせて」 掃除ロボでいっぱいの未来

わたしは真悟」がベースだとか…

「アイの歌声を聴かせて」は予告編を観ても面白そうに思えず、絵柄もあんまり好みじゃなく、観るつもりのなかったアニメーション映画だ。しかし公開されるとやたら評判がよく、オレが信を置くweb上の映画好きの方々も褒めており、だんだん観る気になってきたので上映が終わる前に観てきた次第。ちなみにわたくしミュージカルは全然好きではなく、キャラクターが歌うアイドルアニメも好きではない(例外マクロス)。アシモフのロボットものは非常に好きだ。吉浦康裕監督の作品は観たことがなく、今回がはじめて。

「ブレックファスト・クラブ」展開による「桐島、部活やめるってよ」への返歌か。 (★3)

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切実の外の世間 「由宇子の天秤」

松山に密航して「由宇子の天秤」。ハッキリ言っていい映画なので、皆さん観るとよいと思います。

追いこみかたが怖い由宇子さん

冒頭のプレビュー場面で心当たりがありすぎてゲロ吐きそうになった。力作です。 (★4)

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異界の超人たち 「くじらびと」

四国高松から、遠い遠い神戸に映画を観に行ってきましたよ。神戸といえば、むかし神戸らんぷ亭って牛丼屋ありましたね。あれ知ってますか、関東圏のみのチェーンで神戸関係なかったんですよ。驚いたねどうも。

映画はドキュメンタリーで、「くじらびと」。

映画「くじらびと」公式ページ|Lamafa(The last whale hunters) Official

予告を観れば判るでしょう、観られる人は劇場で観るべきです。クジラが実物大ですよ。スピルバーグの「ジョーズ」を好きな人も、是非にでも観るべきと思う。

マジだぜ

「自然とともに生きる」など生ぬるい。漁師とは「異界において強さを発揮できる超人」なのだ。 (★4)

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「サイダーのように言葉が湧き上がる」で不可解が積もる

毎日死ぬほど暑いですね。皆さんオリンピック見てますか! ぼくは見てません。アニメ観てきました。以下、ネタバレ あるけどそういう問題ではない気がします。観てない人にはなんのこっちゃ判らんでしょう。

イマイチ感情移入できないガールとボーイ

節々で主人公が俳句を詠む。「にっぽん昆虫記」かよ!(言いがかり) (★2)

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Uはお前なんだよ 「竜とそばかすの姫」

細田守監督の新作「竜とそばかすの姫」。「時かけ」以外の細田作品を毎度毎度けなしているわたくしが劇場で観てきました。けなしながらも観てしまう、イヤミではなくこれは細田監督の力だと思う。本当に嫌いなら観なくなるもんな、神山健治監督作品みたいに。

いつもの電脳空間、いつもと違うキャラデザイン

以下、ネタバレあり。未見の人は読むなよ絶対読むなよ!

「U」と「竜」が聞き分けづらい (★2)

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南の島でCQB 「Coo 遠い海から来たクー」

CS放送で1993年のアニメーション映画「Coo 遠い海から来たクー」をはじめて観た。なぜか円盤化されてない作品。景山民夫の原作は未読。

「格闘技元年」「黒船の年」である1993年は、今作以外にもスピルバーグの「ジュラシック・パーク」、角川春樹の「REX 恐竜物語」が公開されて興行界はちょっとした恐竜ブームだった。嘘ですごめんなさい。ただの「ジュラシック・パーク」ブームでした。

COOはアニメーターが勝手に頑張って可愛くしてくれ、原作や脚本や演出のやりたいことは別にある。という感じの映画でしたよ。

このビジュアルからは想像できないでしょうが上映時間の半分はCQB(近接戦闘)です

延々と描かれるCQB(近接戦闘)の印象しか残らない。日本が最も平和ボケだった時代、あえて「軍事」にとりつかれた作品は少なくない。それが当時の「世界の真実」という認識だったのだ。 (★3)

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宇宙世紀の悶々 「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」

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悶々とするハサウェイ

ロボットアニメに平気で今村昌平を持ち込む男・富野由悠季原作の、たぶん忠実な映像化(原作未読)。宇宙世紀の童貞あるある。 (★4)

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「JUNK HEAD」を観た

一昨日ufotableCINEMAで観た「JUNK HEAD」の感想です。申し訳ないが、ネタバレあるので映画を観てない人は読まないでください。読まなくていいので、この映画を観に行ってください。まだやってるところも多いでしょう。

イカの塩辛に感動しました (★5)

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久々に観た「トゥルーライズ」はやはりキャメロンの映画だった

久々に「トゥルーライズ」をDVDで。なんと国内ではブルーレイが出てないんだな。後進国かよ恥ずかしい。公開時に渋谷の劇場で観て、以後も何度か観ている。

ジェームズ・キャメロンの作品の中ではあんまり重要視されず、語られなくなった映画だ。悪趣味なコメディでもありつつ莫大な予算の超大作アクションでもあって、どう受けとればいいのか困った人も多かろう。ちょっとバカにされている節さえあるが、世界最高の映画作家ジェームズ・キャメロンがただの駄作を作るわけがないのであった。今でも多くの娯楽映画が「トゥルーライズ」の影響下にあると思う。トム・クルーズのスパイのやつとか。

ジェームズ・キャメロンは、人間を「テクノロジーを通じて心と心を通わせる生命体」と定義している (★4)

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「フランケンシュタイン対地底怪獣」をナメた記述にベリーベリーオコッタ

わたくしは「フランケンシュタイン対地底怪獣」という映画を人からはちょっとどうかと思われるほど好きで好きで、過去にこのブログでも感想を書いたものだ。皆さんも観るといいと思います。

pencroft.hatenablog.com

そして今日、たまたまTwitterでこういうツイートを拝見しまして。

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しつこいですがまたまた「シン・エヴァンゲリオン劇場版」

黒波はビンタしないやさしい子

「シン・エヴァンゲリオン劇場版」が公開されておよそ3週間が経った。映画は大ヒットしており実にめでたい。Twitter、感想ブログ、Cinemascapeなど、我ながら狭い観測範囲ではあるものの世間の反応を見るに概ね好評、絶賛も少なくない。気持ちよくスッキリと成仏、昇天なさった方々も多いようだ。シンエバよかったよね。よかったよな。エバンゲリオンありがとう。おめでとう(拍手)。もちろん大ヒット公開中のドサクサの最中であり、世間の反応の本当のところ、絶賛と酷評のリアルな比率はまったく判らない。ただ、わたくしの目に見える範囲では多くが絶賛。酷評はごく少数だ。

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